公開: 2021年10月27日
更新: 2021年10月27日
この「リレーコンピュータ」を介して、全く異なるシステム通しを接続する方法は、1970年代に設計された「全国銀行協会(全銀)ネットワーク」で導入されており、実績があった。しかし、全く異なる銀行間で交換されるトランザクションの発生頻度は、外部から見れば一つの銀行であるみずほ銀行内部での、トランザクション発生頻度は比較にならないほど高いはずであった。つまり、オンラインシステムに係る負荷ももちろんであるが、特に、リレーコンピュータにかかる負荷の大きさは、全銀ネットワークのそれとは比較にならないほど高いことが予想されていたはずである。この負荷を軽減するためには、リレーコンピュータの設計と、その上で稼働するソフトウェアの開発に高度な技術が要求されるはずである。また、リレーコンピュータの機能が正しく実行されることを確認するための試験に必要なテストケースの多様性と、信頼性を担保するために実施すべきか負荷テストの実施には、多大な労力が必要になるはずであった。リレーコンピュータのテストには、外部環境である通信回線の状態も考慮しなければならず、現実にその準備は、容易ではなかったはずであった。